今回の調査を受けたフィリピンにおける今後の活動について
要約:今回の調査で、中流層以下の通う教育機関においてICT機器の不足および教育者の不足は深刻であり、ICT機器の寄付を望む声は多かった。
また、教育関係者の多くが言っていた中に「ICTトレーニングセンター」を校内に創設したいという要望が多かった。
それを受けて、当団体では今後のフィリピンでの活動スキームを模索した。
1.教育機関へのICT機器の寄付
2.ICTビジネストレーニングセンター(職業訓練所)の設置
3.駐在員用サテライトオフィスの設置と現地常駐員の雇用
4.ICT教育用の教材の開発と提供
5.教育機関用のOSの開発とカスタマイズ
上記は相互的に運用されるべきものであるため本検討内で総括する。
1.教育機関へのICT機器の寄付
最も最初の段階として、受益教育機関へのICT機器の寄付および貸与を検討したい。
生徒数5に対して1台程度のPCは必要と考える。(授業時間を考えると1クラス分に相当する台数が必要だろう)
例えば、300人程度の高校では1クラス30人前後であるので
PCルームは2つ各35台計70台あれば現実的で十分な運用が可能であろう。
逆に年齢がバラバラなプレスクールなどでは合計人数が40人程度であるが
同時にICT機器を利用する授業時間を設けるのは現実的ではない。
その為、自習室的なPCルームを設置するのが良いのではないか?という話が出ていた。
その場合5台前後あれば初等レベルの教育は可能であると考える。
機材の購入と寄付の方法について
当初、日本で回収および修理した後に船便などでの輸送を検討していた。
今回の調査で、フィリピン国内でも中古PC市場は活況であり、価格もある程度日本に近い。輸送費や関税などを考えると、現地調達が良いと考える。
但し、殆どの中古機器が日本から輸出されているとの情報を得ているので、台数がまとまれば日本から輸送した方が安価である可能性もある。(寄付用途は免税対象であるとのこと)
継続した調査と検討を要請したい。
2.ICTビジネストレーニングセンター(職業訓練所)の設置
上記教育機関内に設置したPCルームを基軸としてトレーニングセンターを開設し、生徒以外の一般の周辺住民へも職業訓練の機会を設けると機械の稼働率及び受益教育機関の公益性は高まる。
初期は3で述べる駐在員および現地常駐員(コーディネイターと当団体で呼称)による指導が必要である。
その後は定期的継続的フォローを当団体から行う事で、ハードウェアの提供に留まらない効果的な支援活動が可能であると考えた。
また、周辺教育機関の教職者への技術指導などの研修会なども定期的に開催したいと考えた。
3.駐在員用サテライトオフィスの設置と現地常駐員の雇用
上記1・2を行っていくに当たって当団体職員および関係者が活動する基盤は必要である。
ガードマンが居る2DK程度のアパートの維持費は月に10000ペソからという事であるので開設を検討したい。
1部屋をベッドルーム、もう1部屋をオフィス、接客用にダイニングを利用するイメージである。
日本からの駐在員を常駐させることは難しいと考える。
年数回数週間程度の滞在になるであろうがホテルをその間利用するよりも、拠点のある方が当然活動のクオリティは高くなると判断した。
駐在員の居ない期間の施設の維持管理および受益機関との折衝などを団体本部のみで行うのは現実的ではないので現地で常駐員を雇用すべきであろう。
現地の所得水準に鑑みるに、10000ペソから15000ペソが大学卒業者が教育機関などで働く場合の相場である様である。基本的にこの金額に準じたい。
DSLや携帯電話、光熱費、人件費などを含めたトータルの維持費を30000ペソ程度を予算に組む事を提案したい。
これは現在のレートで年間72万円程度であり、十分現実的である。
より切り詰めた場合、1ルームマンションで3000ペソから、人件費6000ペソなどでトータル月に12000ペソもあれば最低限の需要は満たす(オフィススペースとゲストハウス機能が混じる事は懸念される)
4.ICT教育用の教材の開発と提供
主に受益機関からの情報を基に本部で開発する。
GPL配布を基本に開発した教材は再配布可能とする。
オフライン用wikiペディアやDVDによる受講用教材などで再利用可能な素材をベースにカスタマイズしたいと考える。
5.教育機関用のOSの開発とカスタマイズ
主に受益機関からの情報を基に本部で開発する。
GPL配布を基本に開発したソフトウェアは再配布可能とする。
現在は、TOPLINUX(途上国向けLINUX OS)、internet高速化ソフトウェア、教育用LMSなどが開発継続中である。